本社移転に併せて 1,000台の業務PC を Windows 10 に移行。
プロジェクトを支えた 「PalletControl」 が同社の PC運用管理を変革

三愛オブリ株式会社 情報システム部 IT管理課
西村 史紀 氏

羽田空港の給油事業から発足した三愛オブリは、航空燃料のほか、石油、LPガス、天然ガス、太陽光発電などを取り扱う総合エネルギー商社です。
同社は 2019年に実施した社屋移転を契機に、 1,000台におよぶ業務PC を全て Windows 10 に移行しました。
「PalletControl」 を活用したことで、同作業を滞りなく終えています。
三愛オブリが 「PalletControl」 を採用した経緯と導入の効果について、情報システム部 IT管理課の西村史紀氏にお話を伺いました。

導入前の課題

業務PC 全台の Windows 10 移行を計画。
従来のワークグループ管理のまま移行・運用ができるかが課題だった

エネルギー商社の三愛オブリは、事業を一層飛躍させるべく、2019年4月、大手町最大規模のビジネスセンター「大手町プレイス」に本社を移転しました。
本社移転は、ファシリティの変化だけに留まらず、三愛オブリの業務IT を変える契機にもなりました。当時を振り返って、西村氏は以下のように語ります。

【西村 氏】
「本社の移転と機を同じくして、これまで社員が利用してきた Windows 7 を搭載の業務PC がリース切れの時期を迎えていました。
移転した後に PCリプレースを行うとなると、 PC1,000台分の運送コストが余計にかかる懸念はもちろんですが、この機会に業務PC も更新できたなら、
“新しい業務環境”が社員に対してポジティブな影響を与えるのではないか?と考えました。
そこで、移転をきっかけに全社員の業務PC を Windows 10 に一新する計画を立案しました。」

ただ、この計画には一つ、大きな課題がありました。
Windows as a Service を掲げる Windows 10 は、Feature Update と呼ばれる従来の PC運用管理にはなかった大型アップデートが年に 2回発生します。
加えて、月に一度、Windows の品質やセキュリティを向上させる Quality Update も存在します。
更新ファイルの配布作業に関しては、これまで以上の業務負荷になることが予想され、その負荷をいかにして解消するかが課題になりました。
また、三愛オブリは、全国に拠点を構えており、小規模な事業所も数多く存在します。
そのため、 Active Directory ではなく、小規模な Windowsネットワークに適したワークグループを業務PC の管理用基盤として採用していました。
この基盤環境を踏襲したまま、いかにして新たな運用管理の体制を整備するかも、同社の課題となったのです。

導入の経緯

ファイル配布に関わる課題を解決できること、優れた GUI を備えることが、PalletControl の魅力

その課題を解決したのが、JALインフォテックの提供するIT資産管理ツール、「PalletControl」 でした。
今日のIT資産管理ツールは、 IT資産情報の収集機能やセキュリティ対策機能など、さまざまな機能を有しています。
西村氏は必要な要件について以下のように語ります。

【西村 氏】
「これまで他社製の資産管理ソフトウェアを利用していましたが、管理画面が複雑だったこと、当社が望む運用管理とはマッチしなかったことを理由に、結果的にユーザーサポートツールとしてリモート接続機能を利用していた程度でした。
機能性だけでなく、管理者が直感的に利用できるかどうかという点は、資産管理ソフトウェアにおいて重要だと考えています。」

ではなぜ、西村氏は PalletControl に注目したのでしょうか。検討当時について振り返ります。

【西村 氏】
「コピー機の導入などでお世話になっているパートナーに Windows 10 移行について相談をしたところ、配布機能に強みを持つ PalletControl を紹介いただきました。
そこでメリットに感じたのは、ワークグループであっても効率的にファイル配布が行えることと、GUI が優れており直感的に操作できることです。
PalletControl であれば、ファイル配付に関わる課題を、学習に余計な手間やコストをかけることなく解消できると感じられました。」

「パートナーから紹介を受けて、まず一部の業務PC を利用し、 PalletControl を利用した Windows 7 から Windows 10 への移行テストに取り掛かりました。
テストは 13台の業務PC で行い、すべての PC をスムーズに移行できたこと、テスト中にマニュアルを見ることなく直感的に操作をすることができたことは、とても好印象でした。
テストの結果を受け、 PalletControl はファイル配付に関わる課題を解決するだけでなく、当社の PC運用管理におけるさまざまなシーンで、その機能を存分に活かすことができると確信し、導入を決定しました。」

導入の効果

P2P配信によって 20 を超える更新ファイルの配布を滞りなく完了。さらに想定外の効果も

PalletControl を活用したことで、三愛オブリは無事、1,000台を数える業務PC のすべてを Windows 10 に移行できました。
しかし、西村氏は、

【西村 氏】
「Windows 10 への移行後のほうが、PalletControl の導入効果を強く感じています。」

と語ります。
これまで三愛オブリでは、更新ファイルの配布にあたりパートナーに作業を委託する、またはグループウェアに更新ファイルのダウンロードURL と案内文を貼り付けて社員各自に作業をしてもらう方法を採用していました。
ただ、作業を外部委託する場合、その都度コストが発生します。
かたや、更新作業を社員に託した場合、なかなか対応してもらえない状況も多く、そのたびに作業の実施を促すなど、想定以上の工数が発生していたといいます。

【西村 氏】
「PalletControl を活用することで、パートナーや社員の手を介することなく、すべての業務PC に対して更新ファイルを自動配布できるようになりました。
更新ファイルは、多くの場合、大容量のデータとなります。
当社は拠点間のネットワーク帯域が必ずしも太くないため、通常の方法で本社から一括して配布した場合、ネットワーク帯域を占有し業務を止める可能性がありました。
しかし、PalletControl は、拠点にある一台の業務PC に更新ファイルを配布すれば、あとは P2P接続により拠点内の LAN を介してほかの業務PC に更新ファイルを配布することができます。
本社を移転した 2019年4月以降、これまでに 20個ほどの更新ファイルを PalletControl で配布しましたが、社員からネットワークが遅いといった声は上がっていませんし、問い合わせ件数も以前に比べ格段に減らすことができました。
私たちも本業に集中できるようになり、大変助かっています。」

さらに、PalletControl が備える使い勝手の良さから、導入当初は想定していなかった活用シーンも広がっているといいます。

【西村 氏】
「更新ファイルの配布だけでなく、インベントリーツールとしても PalletControl を活用しています。
これまで業務PC の情報は、定期的に手作業で収集し、管理用のデータベースに手動で反映していました。
この作業には毎月一週間程度の時間を費やしていましたが、PalletControl で自動化したことにより、今では一日程度、長く見積もっても二日程度で作業を完了できるようになっています。」

今後の展開

多様な働き方への対応を進めていく

業務PCに対してソフトウェアや更新ファイルを柔軟に配布することができる。
その運用管理にかかる工数も大幅に削減できる。
PalletControl の導入で得られた効果は、三愛オブリの働き方改革を加速させることにもつながっています。
取材の終わりに、西村氏は以下のような感想を述べられました。

【西村 氏】
「現時点で当社は、業務PC は一人一台の運用です。
しかし、今後より一層働き方が多様化していく中で、一人がPCを二台、三台と使い分けるといった働き方も想定しています。
そのような働き方が当たり前になった時、業務PC の管理はこれまで以上に複雑なものとなるでしょうが、そのような状況に直面したとしても、PalletControl があれば業務PC の環境を均一化できると考えています。
PalletControl を導入したことで、これまで PC の運用管理に費やしていた工数は大幅に削減でき、その分のリソースをほかの業務に有効活用できるようになりました。
おかげさまで今後は、さまざまな取り組みも積極的に進めていけそうです。」

三愛オブリ株式会社
情報システム部 IT管理課
西村 史紀 氏

三愛オブリ株式会社

三愛オブリは、羽田空港の給油事業から発足しました。
2019年現在は航空燃料のほか、石油、LPガス、化学品、天然ガス、太陽光発電などを取り扱うエネルギー商社として「お客さまに対してエネルギーを安心・安全に提供する」を社是に掲げ、人々の生活に欠かせないエネルギーを提供しています。

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